飼い主との旅行は犬にとって楽しい?ストレスの原因と軽減させる準備・方法を解説
近年は犬と一緒に泊まれるホテルや旅館、カフェやドッグランなど、ペット同伴で利用可能な施設も増えています。一方、いつもと違った環境でも犬は本当に楽しんでいるのか心配になることもあります。そこで今回は、愛犬との旅行を楽しむために知っておきたい、犬のストレスを軽減するための準備や方法をご紹介します。
目次
旅行は犬にとって本当に楽しいの?
旅行中、犬に留守番をさせたり、ペットホテルに預けたりすることは気が引けるので、一緒に連れて行って新しい経験をさせてあげたいと思う飼い主さんは少なくありません。
飼い主さんにとって、愛犬との旅行は楽しいイベントですが、犬にとっては移動や旅先など普段と異なる環境であり、ストレスを感じる場面が多くなるので注意が必要です。
愛犬が旅行を楽しめるよう、ストレスの原因を知って事前にしっかり準備することが大切です。犬にとって楽しい出来事が多くなればなるほど、旅行が好きになってくれるはずなので、是非お出かけ前に準備しておきましょう。
旅行で犬がストレスを感じてしまう5つの原因
移動によるストレス
旅行の際は車や電車、飛行機などの乗り物を利用して目的地まで移動しますが、その移動が犬にとってはストレスの原因となります。特に公共交通機関を利用する移動方法の場合、狭いケージやクレートの中で長時間過ごすことになり、愛犬は不安を感じてしまいます。
また、犬は乗り物の揺れが苦手な動物です。車の場合は、ハンドル操作やブレーキなどによる揺れで、安定感が悪くなり車酔いしてしまうことがあります。さらに、長時間の移動となると緊張が長く続き、ストレスが溜まる原因となります。
慣れない場所や人へのストレス
自宅や散歩コース以外の場所は、犬にとって不安やストレスを感じる場面が多くなります。好奇心旺盛な犬であれば楽しい経験となりますが、警戒心の強い犬や繊細な性格の犬にとっては、旅行の慣れない場所や知らない人との出会いがストレスの大きな原因につながります。
また、聴覚や嗅覚に優れた犬にとっては、旅行先の新しい環境で初めて聞く音、初めて嗅ぐニオイ、初めて見る景色などが大きな刺激になり、ストレスをより感じやすくなります。
運動不足によるストレス
普段と生活リズムが大きく変わる旅行中は、犬が運動不足に陥ってしまうことがあります。移動中であればクレートの中であまり動くことができない、旅先ではいつものように決まった時間に散歩ができない、といったことが大きなストレスの原因となります。
私たちにとって非日常が味わえる旅行も、変化に敏感な犬にとっては大きなストレスの原因になるので、旅行中は愛犬の様子を見ながら注意して過ごすことが大切です。
食事のタイミングの変化によるストレス
旅行中は移動や飼い主の都合などで、思うように食事を与えられないこともあります。いつも決まった時間に食事をしている犬にとって、こうしたタイミングが変化することもストレスの原因になります。
また、旅行用に持参したドッグフードがいつもと違うと、ストレスを感じたり、お腹を壊してしまったりする場合があるので注意が必要です。
トイレのストレス
公共交通機関や車を利用する旅行の移動中、犬は普段のように好きな時間に排泄できません。慣れない環境下で犬はトイレを我慢してしまう傾向があるので、飼い主がしっかり様子を見てあげることが必要です。
犬が旅行中に好きなタイミングで排泄できないことは、身体的にも精神的にも大きなストレスの原因となります。
見逃してはいけないストレスのサイン
いつもと違うしぐさ
犬がストレスを感じているときに、さまざまな仕草でストレスのサインを表すことがあります。
頻繁にあくびをする・目を細める、運動後や暑くもないのにハァハァする、よだれの量が増える、耳を後ろに倒している、腰が引けているなどといったサインもあるので、旅行中は見逃さないよう注意して見てあげましょう。
トイレをしない
自宅のトイレや散歩コース以外の場所では、なかなかトイレを済ませられないタイプや繊細な性格の犬もいます。
移動中のサービスエリアや旅先での散歩中に、愛犬がトイレをしたい様子なのになかなか場所を決められず排泄できない場合は、いつもと違った環境の中でストレスを感じ、緊張していることも考えられます。
食欲不振
車や公共交通機関を使って長時間の移動をするなど、旅行先の慣れない環境で犬がストレスを感じ、食欲不振になってしまうことがあります。
普段より食事の量があまりにも減ってしまうと体力が低下し、健康に影響が出る危険があるので、日頃の生活の中で食事量をしっかり把握しておくことも大切です。
旅行中の犬のストレスを軽減する準備と方法
旅行前に慣らしておく
旅先で犬にストレスを溜めさせないためにも、日常生活の中で知らない場所や人に慣らしておくことも大切です。毎日同じ散歩コースにするのではなく、ときどき違う道を歩いてみる、車で公園まで足を運んでみる、などの方法で旅行前にさまざまな経験をさせましょう。
このように、変化に対応できるよう、日常的に練習しておくと旅行に役立ちます。
加えて、旅行先ではじめて出会う人や犬を怖がったり警戒したりしないよう、日頃から社会化トレーニングをしておくことも大切です。
例えば、犬や飼い主さんが集まる公園や多くの人が散歩をする場所などが近所にある場合は、積極的に足を運んでみるのも手です。
そうすることで、過度な緊張や警戒心が減り、ストレスが和らぎ、旅行先での犬や人との触れ合いが楽しくなってくれるはずです。
また、旅行ではケージやクレートの中で過ごす時間がどうしても増え、それがストレスの原因になってしまうため、普段の生活でケージやクレートで過ごす時間を作り、慣れておくことで旅行中のストレスを軽減できるでしょう。
旅行に持っていくペットフードは普段の食事に混ぜて与えたり、繊細な性格の犬なら旅行で使う食器にも日頃から慣らしておいたりすると、さらに安心できます。
乗り物酔い対策をしておく
乗り物に慣れていない犬をいきなり旅行に連れていくことは難しいので、普段の生活の中で少しずつ乗り物酔い対策をしておくことが大切です。
車の場合なら、まずは駐車したまま車内で過ごし、落ち着いた様子なら近所をドライブしてみましょう。
少しずつドライブの時間を増やしていく方法で乗り物酔いしにくくなれば、旅行中の犬のストレスも軽減できます。
さらには、犬用のドライブシートやシートベルトを活用するのもおすすめです。愛犬の身体をしっかり固定できれば、揺れる車内でも犬が安定し、車酔いを軽減できます。
飼い主さんのハンドル操作や急ブレーキによる万が一の危険も回避できるので、こうした犬用のカーグッズを旅行前に準備しておくことをおすすめします。
電車移動の場合、まずは駅の近くで電車の音に慣れさせてから、一駅乗って様子を見てあげましょう。
一駅ずつ距離を増やしていくことで、電車移動での犬のストレスを軽減できます。
車や公共交通機関どちらの場合も、普段から少しずつ訓練しておくことで犬が乗り物酔いしにくくなります。
乗り物酔いの原因として、過度の空腹や満腹状態が影響を及ぼす可能性もあるので、注意が必要です。
そのため、食事は出発の2~3時間前までに済ませておくと、犬の車酔いによるストレスが軽減できます。
乗り物に慣れたとしても、当日の健康状態などで乗り物酔いしてしまう場合があります。あらかじめ酔い止め薬を用意しておき、出発前に犬のストレスを軽減するための準備を行いましょう。
旅行中のケアも丁寧に
旅行の移動中はケージやクレートを使用することが多くなり、どうしても犬が運動不足になりがちです。長時間の移動を伴う場合は、こまめに休憩をとって運動や気分転換をさせてあげることが愛犬のストレス軽減につながります。
また、移動中は車内の温度管理をしっかり行い、愛犬が過ごしやすい環境をつくることも大切です。特に春先や夏場は、エンジンを止めた際に車内温度が急上昇するので注意が必要です。少しのあいだ車を離れる場合でも、車内で犬を留守番させることのないようにしましょう。
旅行中は初めての場所に行くことや知らない人に出会うことなど、愛犬にとって新しい体験が目白押しです。少しでもリラックスできるよう、大好きな飼い主さんのニオイが付いたブランケットや遊び慣れたおもちゃを用意しておき、犬が安心して過ごせる環境づくりを心掛けましょう。
万が一、旅行中にストレスサインが現れたら、愛犬と目を合わせて声を掛け、優しく撫でてあげましょう。飼い主さんとスキンシップを取ることで、犬の緊張がほぐれ安心して旅を続けることができます。
犬が楽しめる場所に立ち寄る
旅行で犬のストレスを軽減させるための方法として、移動の途中や宿周辺のドッグランや公園などを探して、いつでも足を運べるように準備しておくことも大切です。
移動中やホテルなどで狭いクレートやケージの中で過ごすことは犬にとって大きなストレスになります。飼い主さんと犬が一緒に楽しめる場所へ立ち寄ることでストレス発散になり、旅行が楽しいものだと感じてくれるはずです。
ペットに優しいホテルや旅館を選ぶ
近年、ペットと一緒に泊まれるホテルや旅館、グランピング施設が増え、愛犬との旅行が気軽に楽しめるようになってきました。ペット同伴OKの宿泊施設の場合、設備やサービスが充実しているほか、さまざまなアメニティーが用意されているので初めての旅行も安心して楽しめます。
広いドッグラン併設、愛犬も入れる温泉や露天風呂、ワンちゃん専用の食事付きなど、愛犬との旅行が満喫できる施設の中から選ぶことをおすすめします。
ペットと一緒に泊まれる施設の場合、従業員もペット好きの方が多い傾向にあるため、飼い主さんの愛犬もリラックスして過ごせるでしょう。また、他の宿泊客もペット同伴なので、さまざまな面で気兼ねなく楽しく過ごせるのも嬉しいポイントです。
まとめ
飼い主との旅行で、犬がストレスを感じる原因と愛犬のストレスを軽減させる準備や方法について解説しました。飼い主にとって楽しくリラックスできる旅行も、犬にとってはストレスを感じる場面が少なくはありません。
愛犬との旅行を楽しむために事前にできる準備や、旅行中に気を付けるべきことを今一度確認して、愛犬とストレスフリーな旅行を満喫しましょう。